2025/10/17 【 症状と療法 】
五十肩は原因不明
「五十肩(肩関節周囲炎)」と聞くと、多くの方は「年齢のせい」「使いすぎ」といったイメージを持つかもしれません。
しかし、医学的には——五十肩の原因は不明。
そして、時間が経てば自然に治るとされる疾患なのです。
実際、整形外科でも「自然経過で治ることが多いので、焦らずに様子を見ましょう」と説明されることがほとんどです。
つまり医学界の立場では、「原因が不明だから、根本治療の方法はない」というのが現実。
治療は本来、原因が特定できてはじめて“狙い撃ち”できるもの。
原因不明の症状に対しては、的確な治療法を立てようがない——これが医学の正直な限界でもあります。
治療家は何をしているのか?
では、原因が分からないのに、治療家は何をしているのでしょうか?
カイロプラクティックの現場では、次の2つを大切にしています。
・自然治癒後の可動域低下を最小限にする施術
・「五十肩だと思っていたけど、実は別の原因が潜んでいた」という鑑別と修正
「自然に治る」とはいえ、放置してしまうと肩の可動域が完全には戻らないことが少なくありません。
痛みは取れたけれど、以前のようにスムーズに動かせない——そんな悩みを抱えないよう、ゴールに先回りする施術を行います。
「五十肩に似ているけど、五十肩ではない」ケースも多い
たとえば、背骨や肩甲骨、骨盤の動きに問題があり、結果的に五十肩に似た症状を出しているケースがあります。
こうした“隠れた原因”を見つけ出し、手技によって改善を図るのがカイロプラクティックの得意分野です。
自然治癒の落とし穴
五十肩は、自然発生し、やがて自然に治癒していきます。
この経過をグラフで表すと、痛みが強くなる「A期」と、痛みが和らいでいく「B期」に分かれます。
ここでよくあるのが——
A期で施術した先生は「ヤブ」と呼ばれ、B期で施術した先生は「神」と呼ばれる」という現象です。
なぜなら、五十肩の痛みは放っておいても時間とともに変化するからです。
もし今がA期なのかB期なのかを検査で判断できればいいのですが、その“現在地”を知る方法はありません。
さらに、この山の高さ(痛みの強さ)や期間も人によって大きく異なります。
数日で軽快する人もいれば、2年近く苦しむ人もいます。
これが「自然治癒の落とし穴」です。
まとめ
「五十肩には原因がない」——これは医師はもちろん、カイロ、整体、鍼灸などの業界でも共通の認識です。
だからこそ、施術家はこの事実を正しく伝え、施術の意義と目的を患者さんと共有する必要があります。
実際の臨床では、肩の動きを制限しているのは、構造的・機能的な要因が複雑に絡み合った結果であることが多いです。
カイロプラクティックは、その中に潜む「原因不明の中の原因」を探り、
自然治癒だけでは戻りきらない機能を取り戻すためのサポートを行うものです。
五十肩で悩まれている方は、ぜひ「痛みが引いたあと」のご自身の姿を想像してみてください。
本当の回復は、そこから始まります。
投稿日: 2025/10/17


























