2024/10/01 【 症状と療法 】
みなさんの中には、「関節を鳴らすとスッキリする」という感覚をお持ちの方がいらっしゃると思います。
今日はそんな方に向けて、少しだけ怖い話をします。
模型を見れば怖さが分かる
⇩の写真は、首の骨の模型を拡大したものです。(骨格モデル:170cm)
白:骨
黄:神経(末梢神経)
赤:血管(椎骨動脈)
自分で鳴らす場合も含め、バキバキ音が鳴っているのは、関節(骨と骨のつなぎ目)です。
見ても分かる通り、その関節のすぐ横を神経が走行しています。
指を鳴らしたことがある方なら、より実感が湧くと思いますが、関節を鳴らすと耳に聞こえるくらいの音と衝撃を感じますよね。
もし背骨を鳴らすと、背骨の中を通過する神経(脊髄神経)、背骨から出てくる神経(末梢神経)には、かなりの衝撃が伝わります。
神経は軽く触れただけでも、大きな痛みを感じる組織なので、この至近距離で大きな衝撃があると通常では耐えられない苦痛を感じることは容易に想像できると思います。
そこで体は、モルヒネ様(鎮痛薬)を分泌し苦痛から逃れているのではないかと考えられています。
科学的なエビデンスはありませんが、バキッと鳴ることで、主訴の痛みが消失/軽減したり、しばらくすると同等の刺激を求める中毒性があるので、その説は納得がいくところです。
痛みは悪ではない
痛みは辛いですが、悪ではありません。
それを勘違いすると「痛みをより強い痛みで誤魔化す」という危険な手法に頼り始めてしまいます。
人は痛みを感じることで、健康を再認識する生き物です。
痛みがなければ、悪化していることに気づかず、誤魔化しきれなくなるまで進行してしまいます。
私も必要に応じて、音が鳴るような施術を行なうことはありますが、一人に対して多くても年2~3回。
同一部位なら2回が限度です。
しかし、ほとんどの人は0回で症状は改善していくのが実状です。
ちなみにこの現象は、体で起こる問題なので、「鳴らす人がプロだから安全だ」なんてことはありません。
背中を家族に押してもらって鳴らしても、治療院で鳴らしても基本的には同じです。
鳴らして欲しい衝動にかられやすい人は、注意してください。
ウェルネスセラピーでは、施術を繰り返すことで「鳴らしたい衝動がなくなる」施術を行っています。
気になる方はぜひご相談ください。
投稿日: 2024/10/01